タンジール→マラケシュ

ガダラの豚ならぬ『カスバの男』を読んでいる。

読んでいると、思わず3階から飛び降りてそのままチケットをとり、モロッコ行きの飛行機に乗りたくなってしまう。

そんな衝動に駆られるのも、彼の言葉の端々に滲み出る超現実的な情景描写にやられてしまっているからに他ならない。

たとえばタンジールのカフェでは、日本が生んだ傑作発明、「ハエタタキの握りの端を引き抜くとでてくるハエをつぶした後つまむピンセット」への考察からこんなふうに続く。


「ミント・ティーの鈍い銀のフタを見やるとそこにはまだハエがいた。
うだるような暑さをくぐりぬけ、クーラーなしのカフェで飲む極限に甘く、気合いをもって熱せられたミント・ティーに、裏切りの知性と妙に人間臭いユーモアに包まれた鎮痛能力を感じる。」

彼の視線をそのまま文字にしたような文章と、どこかマティスを彷彿とさせるタッチの超絶デッサンを見ていると、モロッコの熱波を直に味わい、熱いミント・ティーを流し込み、夕暮れにアッザーンの響きわたる街を歩いてみたくてたまらなくなってくる。


「いろいろな国へ行き、着くとすぐ街中を何の目的もなくブラつくのが好きだ。それはいつも僕に強烈な何かの思いを残す。着いてすぐでなければいけない。一杯のコーヒーを飲んでからではすべてオジャンだ。何かが逃げてしまう。」

旅の本質は、まさにこの好奇心が突き動かすどうしようもないまでの切迫感だと思う。

とにかく旅にでたい今日この頃(G.W終わったばかり)の私です。

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Comments [4]

No.1

ところで、kajkenの料理熱は続いているのだろうか?もしそうであると仮定したところで(確率65%)、いつ家に招待してくれるのか、ということで私の頭の中は24分の1ほど占められています。

No.2

>tessyさん
65%とはなんですか!失礼な!もちろん続いておりますよ。
tessyさんを招待できるのは、そうだな・・・竹内結子が子供を生む頃でしょうかねぇ〜。

No.3

なるほど、今回は竹内は流産してしまい、2年後に俺と再婚、4年後に初めての子供が生まれる予定ですから、4年後か。ずいぶん遅いな。もう少し早くしてよ。

No.4

>tessyさん

わかりました。ではいかしたオムライスをつくれるように練習しておきますので、近いうちにぜひ。

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