幾つかの出来事

順序だてて書くのがめんどくさいので、最近あったことをばらばらと。

・家族で知床へ。

この話をすると、きまって「え?」って顔されんだけど、
26歳の僕と、27歳の兄と、21歳の弟と、それに両親、
合わせて5人で、北海道に家族旅行にいったのが、7月のことだ。


生まれて初めて家族そろってミニバンに乗るという経験をし、
2晩で4回温泉に浸かり、弟と夜更かしをし、いくつかの観光名所で沢山の写真を撮り、
世界遺産登録をされてから3日しかたっていない、
できたてほやほやの知床半島の自然遺産に触れて
多いにリフレッシュした。

それにしても、だ。
やはり、時には自然に触れた方がいい。
道路を走っていて、シカとかキツネとかがいる風景ってのは
僕らにしてみれば、普段生きている世界とはあきらかに隔絶された、『マダガスカル』的体験だ。

でも世界って実はけっこうそんな感じなわけで、
そんな単純なことだって、机の前に座っていては、
つい忘れてしまう。
そういうことはたまに確認しといた方がいいなって思った。

まあなんだかんだいって家族旅行があまりに楽しかったことに、
家族全員が驚きつつ、喜んでいたのがなによりです。

てなわけで数日間、東京からエスケープ成功。


・慶応高校、惜しくも決勝で敗れる。

またこの話題か、とは言わないでほしい。
我が母校、慶応義塾高校が、神奈川県予選を神懸かり的ゲームを繰り返しながら、奇跡的な勝利に次ぐ勝利。
獲得してきた白い星が、最後の一つだけ黒く染まったとき、僕は会社にいながら茫然自失だった。
その後、数時間は仕事にならず。

図らずも、仕事モードからの強制エスケープ。再起動。


・エピソード6の邦題がいつの間にか『ジェダイの帰還』になっている件について

遅くなったが、今更なにいってんだ、と言わないでほしい。
「スターウォーズ エピソード3 シスの復讐」を、
新宿スカラ座にて、鑑賞してきました。

おっもしれー!

エピソード4、5、6のあとに1、2、3が公開されるという
極めて斬新なストーリーテリングにあって
(実際は事情からそうなったわけだが)、
シリーズ最大のクライマックスがこのエピソード3に集約されるという困難な命題を、
ルーカスは想像を遥かに上回るレベルでクリアしたと言える。

それは、美しい数学の証明の解法を見ているような体験だった。
2時間半の間、僕は実に驚き、ハラハラし、歯を食いしばり、そして不覚にも涙が流れた。

ストーリーについては、ここで語るべきではないだろう。
(なにしろ、ことこの作品に関しては、ストーリーはさほど重要な意味を持たない)
ただ、映画の黄金時代に重なることすらできなかった僕たちにとって、
それでもスターウォーズの最新作をリアルタイムで劇場鑑賞できるという喜びは、
本当に強調してもしたりないぐらい貴重なものである。


それにしても、恐るべきはアナキンの堕ちっぷり。

「アナキンの堕ちっぷり」には、
『堕ちる』という言葉の持つあらゆる周辺要素を飲み込む偉大な切なさがあった。
まさにスターウォーズはアナキン・スカイウォーカーの物語なんだ。

観賞後、すぐにこのサーガの世界から抜けるのはあまりに困難だったので、
滅多に買わないプログラムを買い、クーラーの効いたDUGにて読破。
そしたら、ルーカスも、まさに同じようなことを言っていた。
曰く「『スターウォーズ』はアナキンの贖罪の物語なのである」だって。
そしてこの物語が、オープニングに記されているように、遠い過去の物語だということに、
なんだか深い意義を感じてしまった。


・海に行くつもりじゃなかった

が、結果として、そこには広大な海しかなかった。

『 M:I 2』のトム・クルーズばりに行き先を告げず、
連邦政府も英国諜報部も真っ青の機密かつ緊急でバカンス体験。

目的はもちろん読書、そしてトロピカルカクテルを然るべき場所で飲むことです。

持参したのは、

・『長いお別れ』 レイモンド・チャンドラー
・『車輪の下』 ヘルマン・ヘッセ
・『愛のゆくえ』 リチャード・ブローティガン
・『東京大学のアルバート・アイラー』 菊地成孔
・『続・エーガ界に捧ぐ』 中原昌也
・『SWITCH 2003.12月号 特集:旅の果て 遥かな王国』

さすがに全部は読めんだろうと思いつつ、案の定全部は読めませんでしたが、
久々にどっぷり活字の海に溺れることができました。
(ヘッセを再読したかったんだけど・・・至らずでした)

活字の海もそうだけどさ、
青い空と、吹き抜ける風、それに美しい波音の調べ、
人生を豊かにするモノはここにあると思った。
すくなくとも一日16時間ぐらいいるような、
電気つけっぱなしのビルの中には断じて、ない!

あなたのとなりでココナッツの香りがしたとしたら、
それは近くに俺がいるってことと思え!


・音大マンガ

上記ビル内に生息しているおかげで、圧倒的な時間的制約をうけ、
キャッチできずにこぼれていたことの130個ぐらいの中の1つが
「のだめカンタービレ」なわけですが、
本日、ゲラゲラ新宿東口店にて5巻ばかり読んで参りました。

おっもしれー!
それにしてもこの作者、のっけから「紫のバラの人」だとか、要所要所で白目になる登場人物だとか、
かなりの美内センセイ好きと見た。

美内センセイへのオマージュといえば、
うすた京介の大傑作マンガ『ピューと吹くジャガー』にも
「この子、こわい子、、、!」的なキメゼリフが出てくるエピソードがありました。
あれ大好きです。

えーと、続きが気になってしかたないので、近いうちにまた読みに行きます。

何からエスケープしたかを書くのが途中からめんどくなったのですが、
いつかのエントリーで書いたような、ささやかな逃避をどうにか積み重ねることで、
ご覧のとおり、まんざらでもない感じになってるようです。

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Comments [2]

No.1

久しぶりにkajken節が聞けてうれしいです。
今タイガースがまさかの大逆転負けを喫し、この上なくブルーな気分。アナキンが堕ちて行く時の気持ちとkajkenさんの慶應高校敗退の時の気持ちがちょっとわかるような気がします。

No.2

>kon-konさん!
コメントありがとうございます。
土偶のような顔色をしていた日々からようやく戻ってきました。これからは『Kajken strikes back!』として一時代をつくれるよう決死の覚悟で望む所存であります!

それにしても、おっしゃるとおり、思い入れたチームの逆転敗退には、フォースのバランスが一挙にダークサイドに崩れますねぇ。

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