サマーソニック全行程 日曜日

2日間とも奇跡的に晴れ続けた千葉マリンスタジアム。
日曜日の夜空に浮かぶ月はきれいだった。


2日目

■CAESARS
初めに言っておくと、今回のフェスの個人的なベストアクトは、間違いなくシーザーズだ。このやんちゃなロックバンドの勢いにのったステージパフォーマンスは理屈抜きでかっこ良い。曲のイントロが鳴らされるたびに、雄叫びをあげながら興奮してモッシュするお客さんたちも含めて、素晴らしい演奏と、観客(つまり同時に演っているRIP SLYMEではなく、CAESARS を選んだ人たち)だった。ライブで聴くと、あらためて完成度の高い曲をつくってるなぁと再認識する。荒削りな演奏だが、曲の構成は極めて細やかだ。とにかくこのバンドは一度ライブで見た方が良い。決してiPodのCMで使われたようなおしゃれな曲だけのバンドではないのだ。

■SUGIURUMN
初日に引き続き、ダンステントへ。実ははじめて彼がDJをしているのを見た。まあ日本を代表するDJの一人ってだけある。たしかに盛り上げるのが巧い。曲も悪くない。でも、ちょっとだけ、古いタイプのDJだなって気がしてしまった。もしかしたらサングラスでかっこつけすぎてたせいもあるかもしれない。

■THE ORDINARY BOYS
昨年のサブステージから大躍進、今回はメインステージでのアクトだった、、、のだが、役不足感は否めなかった。
サマソニの悪い特徴の一つがメインステージにあげるバンドの選択を間違えることだ。少なくともこのバンドがメインステージにあがる前に、昨日サブステージだったがゆえに大混乱を巻き起こしたZAZENBOYSをあげるべきだ。2日目の疲れもあって、スタンドできいていて眠くなってしまった。

■RODDY FRAME
気を取り直して、RODDY FRAME。いわずとしれたネオアコの星、元アズテックカメラのナンバーワンホストだ。

この人がいなければフリッパーズギターも違うことやってたんだなーと思うと感じるものがある。

ステージはアコースティックギター一本。全曲弾き語り。
ネオアコ特有のカッティングギターときれいな歌声でかなり玄人好みの熟練した演奏だった。多分何も知らないで通りかかった人も思わず足をとめたと思う。お客さんもいい感じで優しい拍手などしていた。

■木村カエラ
記念受験みたいなもんかなと思って、軽い気持ちで見に行ったら入場規制がかかるんじゃないかってぐらいの勢いで混んでてびっくりした。
CMの曲しか聴いたことなかったので、カエラの予想以上にロックなステージに一人でしばし騒然となる。思ったよりよかったけど、何曲も聴くほどでもないと思い、2曲だけ聴いてステージをあとにした。

■インパルス
ステージ移動中に立ち寄ったお笑いブースでちょうどコントをやっていた。テレビとまったく同じノリだった。なんだかんだ言いつつも、僕は板倉のことをけっこう認めている。

■BLOC PARTY
前評判が高くて、行く直前にも友人から見といた方がいいよ、とオススメされていたバンド。正直好みのタイプではなかったが、今時っぽいロックバンドだった。これも2曲聴いて満足。

■TOMMY GUERRERO
ビーチステージは、会場内の一番奥まったところにある、幕張海岸につくられた特設ステージ。収容人数も一番少ない。だけど、夕方には風が吹いて、もちろん目の前に海があって、一番心地よいステージになる。
そんな場所でトミー・ゲレロ。これほどの贅沢は、そうは味わえないだろう。

実際、卓越した演奏と余裕綽々のパフォーマンスで、いつまでもこのままここにいられたら良いのに、と思った。目をつぶればそこにはカリフォルニアのビーチが広がっていると、想像することさえ容易だった。

しかし、僕はこの会場を後にする。WEEZERを見るために。

■WEEZER
初めてサマーソニックに行ったのが1999年の夏。ノストラダムスの大予言が外れてすぐだった。その時、WEEZERを初めて見て大変感動した記憶があった。だからこそ、6年ぶり(!)のライブにも、かなりの期待を込めていた。
のだが、、、正直、どこかもの足りなかった。

1st〜3rdを中心に代表的名曲の目白押し。だけどなぜか僕と彼らの距離が遠くなってしまったように感じた。それはこっちの気持の問題かもしれないし、むこうの演奏の問題かもしれない。だけど、いずれにせよ、99年夏のWEEZERを期待した僕にとっては、なにかが欠けているように感じたステージだった。

■OASIS
そして大トリである。
ギャラガー兄弟の登場だ。

こちらも結論からいうと、これまでに見たOASISのライブよりも良い、というところまではいたらなかった。

というのもこれまでに僕は4回オアシスを見ているのだが、そのどれもがあまりに印象的すぎたせいかもしれない。

横浜アリーナでは偶然遭遇したノエルにサインをもらい、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールでは、前座が解散直前のThe Verve、そして3時間にも及ぶライブの最後には、ポールウェラーが出てきて『Don't Look back in anger』を共に歌ったのだから。

そういった周辺要因も含めたせいで、もしかしたら今回のライブはやや印象薄だと感じたのかもしれない。

それでも『Champagne supernova』や『Live Forever』、そして『Don't look back in anger』は理屈抜きに素晴らしかった。
結局のところOASISのライブで感動するのは、1stと2ndの曲だけだ。それは、このバンドに付きまとう、もはやいかんともし難い事実なのだ。今回のライブでは、ノエルもリアムもそのあたりのことを今まで以上に引き受けている感じがした。それがこれまでとはやや違った点かもしれない。

あと今回のアルバムから加入したドラムのザック・スターキー(そう、あのリンゴスターの息子だ!)は、かっこ良かった。特に演奏中フグのようにほっぺたを膨らませる仕草がよかった。

そうして、最後の曲、The Whoのカバー曲の『My Generation』が終わると同時に夜空に鳴り響いた花火。

それを見て、夏が終わりゆく様を肌で感じて、なんとも言えない気分になった。

そんなこんなで、2日で体験した沢山のアーティストの素晴らしい演奏を身体にしみ込ませつつ、千葉を後にしました。

やっぱりフェスはいい。

ひと夏1フェス、ぐらいは体力と時間とお金にある程度の余裕があるうちは続けたい。いろいろな理由をつけて行かなくなるのは簡単だけど、こんな風にして毎年夏を過ごしていくことは、自分にとってまだプラスになっている気がする。


リアムノエル

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