誰もが願うこと。
それは悲劇を2度繰り返してはいけない、ということ。
くしくも、今年は日航機墜落事故から20年目にあたる。
あの惨劇から僕たちは何を学んだのか。
そうした特集やドキュメンタリーによって改めて気付かされる、世の中の忘却の仕組み。いつしか大事なことを忘れてしまうのが人間の業なのかもしれない。
岡崎京子は「しあわせを疑うものはしあわせになれない」と言った。たしかに、不幸な出来事を忘れることができるからこそ、人は幸せになれる(あるいはなったと思える?)のだろう。
しかし、傷が癒え、当たり前のように平穏な、ささやかな幸せを享受するようなとき、惨劇は突然訪れるのだ。
ともに戦った盟友は、この病におかされた者特有の、切ない呼吸音から、次のような名をつけた。
「シュウィーン、カチ」病、と。
あの時と全く同じ症状。
姉を苦しめた死に至る病が、ついに妹にまで、その触手をのばそうとしている。
もはやどうすることもできないという無力感。
同じ病に最愛の人を二人も失う悲しみの深さ。
神様なんていないのかもしれない。
とにかく、今は彼女の回復を祈るとともに、
この惨劇の行く末を、ただ、手をこまねいて見ていることしかできない。
スパイは2度死ぬかもしれないが、僕のiPodは2回も殺させやしない。
Comments [4]
No.1かどんさん
深い冥福を。
No.2kajkenさん
まったく、切ないよ。
No.3ブクロさん
全部が終った頃には夜もすっかり更けていて、インクのついた手のままiPodの蒲団の中に潜り込んだ。
「iPod………。今日は疲れたわ………」
蒲団の中もiPodの体もアイスクリームのクーラーみたいに冷たかったけれど、くたくたのボクにはちょっと心地よかった。
”シュウィーン、カチ”
iPodもボクも、この家で寝るのは初めてだ。床下からスージー部長たちの声がする。何人いるのかわからないが、みんなまだ働いてるらしい。芝浦のキッチンみたいた。
No.4kajkenさん
ブクロ、泣かすな。
。・゚・(ノД`)ヽ
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