Modern Life Is Rubbish


唐突だが、俺はモダン・ロックが好きだ!

だからモダン・ロックと言う言葉を、あるいはそのニュアンスを積極的に浸透させていきたい。


モダン・ロックってなににゃ?
という加藤ローサ的に可愛らしい女の子(年下限定)にだけ、特別こっそり教えてあげよう。

と、その前に「モダニズム」と「音楽」についての興味深い記述があるのでご紹介。

ジャズ・ミュージシャンであり文筆家の菊地成孔氏の
東大でのジャズ講義をまとめた『東京大学のアルバート・アイラー』から、
ちょっと長くなるけど、その箇所を引用してみよう。

「幾多ある諸文化、諸学問において、十九世紀の中盤くらいから二十世紀の初頭にかけて、「モダニズム」と名づけられるような運動が起こっています。文学が一番早くて、ボードレールを始祖と考えることができるでしょう。建築ではアドルフ・ロースやミース・ファン・デル・ローエ、あと、ル・コルビジュエとか。美術では印象派からキュビズム、それにバウハウスなどの運動があります。音楽では、えーと、西欧クラシック音楽においては、前回お話しした「十二音技法」っていうのがこのモダニズムに対応する動きと言ってもいいと思います。
このように「モダニズム」とは世紀末に近代芸術のあらゆる文化で起こった一大潮流ですが、そうした芸術運動の中でも一番最後に来た「モダニズム」。これこそが、二十世紀のポピュラー・ミュージックの中で唯一「モダン」を名乗った「モダン・ジャズ」の運動だ、という立場を僕たちは取っています。」

『東京大学のアルバート・アイラー』 菊地成孔+大谷能生 メディア総合研究所(P.58)


ジャズには「偉大なる巨人」、チャーリー・パーカーやマイルズ・デイビスが創り上げた
「モダン・ジャズ」という世界感が、ムーブメントとして認知されている。

でもロックにおける『モダン・ロック』には明確な旗手がいなかったし、
メディアもそう名付けなかった。
これこそがいわゆる『二十世紀のモダン・ロックの悲劇』ってやつだと僕は思うのだ。

ただし本国アメリカでは"Modern rock"は、一応ある程度定義がなされているみたい。
Wikipediaによる"Modern rock"の定義


さらには、その代表的存在としてR.E.Mやレッチリなんかが挙っているんだけど。
個人的には『モダン・ロック』を最も体現したバンドは、Primal Screamしかいないと思う。

では翻って日本ではどうか?

僕が思うに、ある程度のメジャー性を担保できている(できていた)のは、
スーパーカーとくるりの2バンドだと思う。

映画の主題歌だった「YUMEGIWA LAST BOY」(スーパーカー)と、
いまだにイントロの音を聞いただけでうっかり涙腺が緩みかねない
「WORLD'S END SUPERNOVA」(くるり)
この2曲をもってして日本のモダンロック創世と言えるんじゃないか?

ジャズにおける『モダン』がいわゆるメロディではなくアドリブ、だとすれば、
ロックにおける『モダン』は、感覚的にタテではなくヨコに身体を揺らせるか
ってことだと思う。


賢明なる読者にはすでにお分かりだろうけど、
この国においてモダン・ロックがメジャーの高みに到達しえなかった最大のポイントは、
カラオケで歌っても盛り上がらないってこと。

だけど、その分、耳や身体をすませば、ダイレクトに感じ入れるものなはずだよ。


退屈でクソが飛び出そうな日常ではあるけれど、
いつかコロナビールでも飲みながら、『モダン・ロック』で一緒に踊れる日がきたら、
それは最高だなって、心から思うわけなんです。


"This Is Just a Modern Rock Song"

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Comments [2]

No.1

邦楽はマキシマムザホルモンにどっぷりハマってますが、自分でも自分らしいところに着地していると思います。
フジロック行くのかな。俺は↑とメタリカを観にサマソニ行ってきます。

No.2

おっとー。
マキシマムザホルモン、、、聞いたことないけどチェックしてみるよ。

ちなみに俺はPHOENIXとくるりとラプチャーを見に、サマソニに行くよ。

うまくいけば、現地で酒でも。

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