東京で平日の午後を過ごすこと(美術館篇)

平日に休みをとったらやってやろうと思ってたことが、いくつかあった。
美術鑑賞は、なんてったって平日の午後に限るので、この機会に随分行った。
面白かったのをいくつか。

【庭園美術館】

庭園美術館でやっている、アール・デコ・ジュエリー展はなかなか面白かった。

これは、20世紀初頭にカルティエの専属ジュエリーデザイナーだった
シャルル・ジャコー氏のデザインや作品を時代背景とともに展示したもので、
作品と原画の両方が一同に見れるのが嬉しい。

感銘を受けたのは、ジャコー氏のデザインの元ネタの裾野の広さだ。
古代ローマの宝飾品や、建築物の造形や、動物の毛並みなどにインスパイアされて、
独創的なアイデアをどんどんジュエリーに取り入れていく。

その時代、その時代で、「あ、この感じ、自分の装飾に取り入れたい!」と思わせる。

昔から宝石の本質的な価値は、
見栄ではなくて所有することによる満足感(エンパワーメント?)だったんだなー。

デザイナーの意図が明確なデザインというのは面白いなと思った。
モノづくりにおいてコンセプチュアルであることは、とても大事なことなんだ。


【岡本太郎記念館】

青山の裏通りにひっそりとある岡本太郎記念館
岡本氏の生前のアトリエだった邸宅を解放しているのだ。

中庭で岡本氏の作品とともに写真を撮れたりするのが楽しい。
隣接するカフェも本格的な手作りケーキを出す。
青山ショッピングの合間にはぜひコースに加えてほしい場所。

【東京現代美術館】

大竹伸朗の『全景展』、みんなちゃんと行ったかな・・・?

一個人の現存するアーティストの大規模な展示が
こんなにも充実した環境で見られることなんて、めったにない。

僕は、ただ芸術と向き合い、膨大な作品をつくり続ける大竹氏に本当に感動してしまったのだ。

しかも『ダブ平&ニューシャネル』のライブが、美術館中央のアトリウムでやっていたんだけど、
大竹さん、普通に来てるし、演奏してるし・・・。
聞けば殆ど毎日美術館に来ているのだと言う。

とにかく表現手法やメディアにいっさいこだわりをもたず、
純粋な芸術を切り出しまくって、膨大なクロニクルを現出させたこの偉大な芸術家に、
僕はとても勇気づけられたのだ。

そして、作品を見終わって、ミュージアムショップでステッカーなどを買い求めていると、
『kajken君』と声をかけられた。

誰かと思ったら、フォトグラファーで会社の先輩の鷲尾さん

ちょうど僕が退職する旨を伝えたときに、メールを頂いていて、
一度ちゃんと会おうって話になっていて、
でも時間の都合がうまくつかずに、年内は無理かなぁ・・・、
なんてやり取りをしていたところだったのだ。

僕はとっても嬉しくなってしまって、
うわー!一緒に飯いきましょうよ!となる。

「会わなきゃ行けない人とは、必然的に出会うように世の中で来ているんだねぇ」
と2人で必然的偶然を喜びつつ、清澄白河の激シブ中華料理屋でビール。

僕はU2のライブの話やクラッシュのシングルが再販されること、
新しい仕事のことなんかを話した。
鷲尾さんは幾つかのミュージシャンと交流した話や、
今度新しく撮り始める写真のコンセプトなんかをこっそり教えてくれた。

そして2人して、「大竹さん、かっこよかったね。俺たちもちゃんとがんばろうね」
みたいな話になって、別れたのだった。


平日の美術館巡りも、自然にちゃんと意味が生まれてきて、
なんだかそういうことなんだなーって思ったのでした。


uwajima.jpg


|現代美術館のてっぺんには、大竹氏が宇和島駅から譲り受けたネオンが煌煌と照る|

Track Back

Track Back URL

Comments [2]

No.1

けんちゃーん。

No.2

なんですかー?

コメントする

※ コメントは認証されるまで公開されません。ご了承くださいませ。

公開されません

(いくつかのHTMLタグ(a, strong, ul, ol, liなど)が使えます)

このページの上部へ

プロフィール

The Great Escape by kajken

サイト内検索

最近のピクチャ

最近のコメント

Powered by Movable Type 5.14-ja