ちょっと遅い話題ですが、ジョブスのiPhoneの基調講演、よかったね。
ちょうど、僕が大学に入ってすぐぐらいの頃に、ジョブスはアップルに復帰して、
その頃仲が良くてゼミが一緒だったエロかっこエロい友達が
Mac Worldのプレゼンがすごい!って教えてくれた。
それが、僕にとっての初めての優れたプレゼンテーション体験だったんだな。今思えば。
それ以来、新しいiMacやiPodが登場したときのプレゼンは
なんとなくチェックしてたんだけど、今回のiPhoneのヤツは完璧にイカしてる!
iPhone keynote
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「Watch iPhone introduction」をクリックしてください。
最初の5分を見たら、ぜったい最後まで見たくなる。
過剰なポジショニングマップ、アラン・ケイの発言の引用。
わかりやすいジェスチャー、そして、ジョーク。
英語が完璧に聞き取れるわけじゃない僕にも、95%以上内容が伝わる。
これって本当にすごいことだ。
まるでロックのライブを見ているような、そんな気分になる。
すごいといえば、もうひとつ。
週末に、上野の鈴本演芸場にふらりと入ってみた。
正月の初席が終わったせいか、寄席はけっこうすいていて、
僕は缶ビールを飲みながら、柿ピーをぼりぼりかじりながら
レイドバック&リラックスして見てたんだけど。
実は二之席を見るのがツウだ、なんて言われて嬉しくなった。
意外に面白かったのは、柳家喜多八っていう肝臓の悪そうな人がやった、
「吉原にいきてーな」ってやつ。
あまりに吉原に行き過ぎて、親に行く事を止められているせがれが
(この設定がすでに面白い)
行ったらあんなことしてもらったり、こんなことしてもらったりするんだろうなー。
「吉原行きてーな!」って、ひたすら妄想しまくる話。
江戸の人もこんなことで悩んでたんだなーってのが妙に面白かった。
で、トリに出て来たのが、三遊亭金馬師匠。
もう御歳75歳ぐらい。
が、これがべらぼうにうまくて、僕は本当に感激してしまった。
人の良さそうなじいちゃんだなーって思ってみていたら、一瞬で引き込まれた。
人情話にホロリとさせられ、気付いたらサゲで、ぎゃぽー、って感じ。
時間を飛び越えたような錯覚すらある。
「話が巧い」というのはこういうことを言うんだな、と
その時改めて思った。
で、ジョブスのプレゼンと金馬師匠の落語の共通点はなんだろう、
って考えてたんだけど、
それは「澱みのなさ」ってことにつきるんじゃないかと思った。
もちろん2人ともジェスチャーや、目を引きつける仕草は巧みだし、
ジョークのセンスもいい。
でも、本当にすごいのは、この偉大な人たちが、
どう考えてもあり得ないぐらい練習しているはずだってことだ。
ジョブスのプレゼンなんて、ちょっと見てもらえばわかると思うけど、
次のスライドが何かを100%暗記していなければ、絶対不可能である。
金馬師匠にしたって、同じネタを何度も何度もやっているからこそ、
自在に緩急をつけて喋ることができるんだ。
つまり、反復こそが「澱みのなさ」をつくるってことだ。
これはやっぱりすごく大事で、ともすればプレゼンテーションでは
「アドリブ力」とか「キャラ立ち」とかの方を重視してしまいがちな昨今だけど、
本当に人にものを伝えるためには、やっぱり繰り返し伝えたいことを
反復して頭に叩き込まなきゃだめなんだ。
当たり前のことだけど、グレイトな話芸をたて続けに体験して、
なんだか再発見したような気がした。
Comments [3]
No.1mayuさん
マユが落語に引き込まれる理由が
自分でなかなか説明つかずにいたんですけど、
さすがはkajken。
「巧い」人見てると、感激しっぱなし!
No.2kajkenさん
僕はけっこうマジで落語のネタをいくつか覚えたいと思いましたよ。
こんど行きましょうよ、鈴本!
No.3mayuさん
末廣・浅草はちょいちょい行くのだが、
鈴本はまだ行ったことがないのだ。
ぜひ連れてってー。
落語、いくつか覚えてみたいよね。
師匠から「今年は本格的にやっていこう」と勧められてるので、
その前に着物の着付けのひとつもできなければ・・・
はぁー、道のりは険しい・・・^^;
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