いやー、最近家の近くのゲオっていうレンタルビデオ屋が、
なにをとち狂ったか、新作旧作問わず一本10円っていう、
あり得ない値段をつけてるもんだから、
ついつい勢い余って借りてしまったよ。
『40歳の童貞男』
この映画については、みうらじゅんと伊集院光の名著、
『D.T.』(童貞をおしゃれに表現したもの)を読んだ人と、
まずはひとしきりコメントしあいたい。
「世の中の男性には、"元童貞"と"現童貞"しかいない」という至極シンプルな真理こそが、
この本が与えてくれる気づきであり、ちょっとした人生の確かさだったはず。
そして童貞と処女の性界におけるブランドプレミアムの差。
処女には天文学的な価値があるのに、童貞にはまるっきりないっていうかむしろマイナスイメージ。
そのこと(不都合な真実)に警鐘を鳴らしているのが、また本作の社会的貢献であるともいえる。
童貞を失うことで文字通り「失ったもの」。
この映画(と本)は、そんな忘れ去られた記憶への鎮魂歌といっても過言ではないのだ――。
とかなんとか前置きが長くなってしまいましたが、
この『40歳の童貞男』、いい映画です。
僕の好きな『ハイ・フィディリティ』っていう映画にもちょっと似てる。
主人公は、いい感じに童貞をこじらせた40歳男性。
ひょんなことから職場の仲間(男友達)にそのことがバレて、
みんなでがんばってコイツを男にしてやろうぜ!ひと肌脱ごうぜ!みたいな、
周りが勝手に盛り上がっちゃう、おせっかい系ハートフルコメディ。
基本的に超下品なジョーク満載で、ゲイとか差別しまくり。
面白かったのは、「○○なヤツはゲイ」っていう言い合いをするシーンで、
「COLDPLAY聞いてるやつはゲイ」っての、
なんかわかる気がする。
そんな感じで恋は進展するやらしないやら、みたいな。
ストーリーにはいささか脱線が多く、
あっと言わせるような大どんでん返しも当然のごとく無いのだが、
この映画の醸し出す永遠の男子校ノリは、僕にとってリアルな青春群像なのです。
「この心持ちが女にわかってたまるか!」
ってな感じで、ゲハゲハ笑いながら、中2になった気分でこっそり鑑賞しましょう。
Comments [5]
No.1panpanさん
1本10円てすご!!!
そしてこの映画も興味しんしん。みたい。
「この心持ち」を理解してやろーじゃん!!
No.2kajkenさん
おう、「その心持ち」を理解しても、あまり人生の役にたつとは思えんがな!!
No.3マクドナルドゲンさん
笑っちゃいましたよ。
カジケンサン、批評、向いてるよね。
雑誌でコーナーもってほしいぐらい。
その映画、面白そうっす。
ジャックブラックと一緒にみたい感じっす。
No.4kon-konさん
1本10円という価格設定もすごいけど、作品のタイトルが秀逸(笑)。10円だとダメモトで意外な掘り出しモノとの出会いがありそうでイイですね。バカバカしそうだが、これは観てみたいかも。
No.5kajkenさん
>マクゲン
なんていいやつなんだオマエは。
そういうこと言ってくれる後輩が今の会社に居ないのが、
俺の唯一の悩みだよ。
ジャック・ブラックは、
この映画にある意味出てるからね・・・(笑)
>kon-konさん
いやー、10円じゃなかったらまず手をださない逸品ですよ。
でもそれも含めてタイミングっていうか、
今はむしろこいつに出会えたことに感謝してるって感じです。
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