Crazy Kenの恋する惑星

2008091519460000.jpg


ネイザンロードから九龍公園を背にして路地を折れる。

すれ違う人と肩からぶつかりそうになるのを、
どうにか半身ですり抜ける。

日本の無菌的白色灯とは比べるべくもない、
薄明かりのセブンイレブンの脇の怪しいマンションの入り口に、
マッサージ勧誘のお姉さんがだるそうに座っている。

排気ガスと、街の臭気から逃れるように空を仰ぐと、
宙づりのネオン看板が、昼よりも強い光を放っている――

そのあまりにも典型的な光景に、
ここが「あの香港」だということを、実感しない訳にはいかない。



ってなわけで、日中は粛々と仕事をしつつ、
夜はぶらぶらと街を散策しているのですが、
香港といえば、あれですね。

クレイジーケンバンド(a.k.a CKB)の『香港グランプリ』。

00年代初頭に、
CKBを通じて学んだ気がしたものは、なんだったのか。

思えばCKBの唄はいつも具体的でありながら、
同時に観念的だった。

たとえば、横須賀についての唄は、実際の横須賀よりも横須賀的であり、
上海についての唄は、実際の上海よりも上海的であり、
香港についての唄は、実際の香港よりも香港的だった。

ある断片を強烈なクリシェの物語に封じ込めることで、
そのイメージを何倍にも増幅させる、
というのが彼の作る音楽のスタイルだったのだと思う。

もし「音楽が見せてくれる風景」というものがあるとしたら、
僕にとっての香港の風景はまさに、
彼らの音楽によって作られたものだ。
そして、そこで見た香港を、
僕は現実の香港の中にいても、探してしまう。

サマーソングの「終わらない夏」や、
理想の「カリフォルニア・ガール」なんて、
もう本当はありはしない事なんて、とっくに気づいているはずなのに。

Track Back

Track Back URL

Comments [2]

No.1

私は香港行ったことないですが、
香港とはどういうムードなのか、勝手にわかった気になっています。

thru CKBのイメージが強烈で、鮮やかで、
「もう香港、行かなくていいかも」という気にすらなりますw

No.2

>mayuさん

香港、料理が本当に美味しいです。
買い物は日本でした方が良いかも。

来年以降しばらくは、ちょくちょく行く事になりそうです。

コメントする

※ コメントは認証されるまで公開されません。ご了承くださいませ。

公開されません

(いくつかのHTMLタグ(a, strong, ul, ol, liなど)が使えます)

このページの上部へ

プロフィール

The Great Escape by kajken

サイト内検索

最近のピクチャ

  • kindle.JPG
  • guildcoffee.JPG

最近のコメント

Powered by Movable Type 5.14-ja