『SHINE A LIGHT』 から『ミック・ジャガーの成功哲学』へ

さすがに正月早々からトップエントリーに、
いつまでも嵐のPV載せとく訳にもいかないので、
次の話題。

昨年末に『SHINE A LIGHT』を見て以来、
またストーンズ熱が盛り上がってきてます。

SHINE A LIGHT』はマーティン・スコセッシ監督が撮った
ローリング・ストーンズのドキュメンタリィ映画です。



この映画は数あるこの手の映画の中でも、
かなりライブシーンをきっちり見せるような仕上がりになっていて、
まるでストーンズのライブに来ているかの様な臨場感で大変盛り上がります。

ほとんどやけくそ気味に多彩なカメラワークのおかげで、
どのシーンを切り取ってポスターにしてもオーケーな超かっこいい映像満載だし、
音も通常のスタジアム級のライブ会場で聞くよりは遥かに高音質なので、
ある意味ライブよりもライブ感を味わうことができる。
ストーンズのライブに来たと思えば、相当お得感があるのです。

ドキュメンタリィ的なシーンは全体の1割にも満たないんだけど、
ここにもまた見所があります。

まずこのライブが始まる前に、スコセッシ監督が、
どうゆう舞台装置にするか、とか、曲順はどうするのか、とかを
メンバーと綿密にやりとりをしようとするのですが、
とにかくストーンズは取り合わない。

「せめて最初の一曲目だけでも教えてくれ!カメラの位置が決まらないから!」
と懇願する監督。

だけど例によって渋くタバコを拭かすキースや、
やたらと上機嫌にしゃべったり腰をくねらすミックはどこ吹く風。

一体どうなっちゃうんだろう、という
監督と我ら観客の心配をよそに、ビーコンシアターの幕が開く。

そして・・・

ジャッジャーン!映画館を切り裂くギターリフ。

一曲目に何がくるかは映画を見てからのお楽しみ。

中盤では若い頃のストーンズが、
色々な国の取材に応えている模様が映されるのだが、
どのシーンを切り取っても、メンバーは完全にハッパやってる状態。

インタビュアーの真剣な質問をあぜんとするほど適当に返事していく。

だが、その一言一言が、全部むちゃくちゃかっこいいのだ。

たぶんスコセッシ監督が意図したのはこういうことで、
つまりあらかじめ準備したり予期できるようなことなんていうのは、
ローリングストーンズの動物性/反射性の前では、クソの役にもたたねぇってこと、だと思う。

だって、本当にコイツらむちゃくちゃですもん。

一緒に見た幼なじみ(男性・医者)と2人、
俺たちも守りに入ってる訳にはいかねーぜと
鼻息を粗くして新宿三丁目のブルーズバーへ繰り出した次第なのです。


で、その後すぐに『ミック・ジャガーの成功哲学』という本を買ったのですが、
この本もまたむちゃくちゃ面白い。

ロンドン郊外にすむ、マイケル・フィリップ・ジャガーという
ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで経済学を学んでいた男が、
如何にしてもっともセクシャルなロックボーカルになったか、
というストーリーが、当時のエピソードたっぷりで、
非常に分かりやすく書かれている。

そこには、ミックの野生の部分と緻密で狡猾な部分が、
どうやって形成されたのかというヒントがある。


ミックはタバコをもみ消し、咳払いしてから、マイクの前に立つと、ガチガチに緊張して
足が動かなかった。観客も静まり返って冷ややかな視線を送った。気分が悪くなりかけたが
深く息を吸って「Well, the joint was rockin'(ムショはお祭り騒ぎ)」と歌い出した。曲が終わり
気まずさで顔が火照り、つい頭を下げてからまた見上げで客の様子を伺った。
冷ややかな拍手が鳴って、次の曲へ。

『ミック・ジャガーの成功哲学』 アラン・クレイソン著

これはストーンズが、ロンドン郊外のGクラブでブルースバンドとして
初舞台に立った時のエピソード。

あのミックですら、こんな苦々しいデビューを飾っていたとはね、
なんという「人に歴史あり」だろう。

まあ、そんなわけで、この本を併せて読むことで、
ストーンズについての理解をより深めることができます。
ちょっと高いけど、ジャケがかっこいいので、ぜひ本棚に一冊どうぞ。

それにしてもミック、手当たり次第にいい女に手を出しすぎ。
ホント憧れます。

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ミック・ジャガーの成功哲学 セックス、ビジネス&ロックンロール

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