涼しい夏の宵。
開いた窓。
燃える灯火。
ボウルの中の果物。
僕の肩に置かれた君の頭。
それが、一日のうちで一番幸福な瞬間。
それにも勝るのが、言うまでもなく、
早朝の時間。それから昼ごはんの前の
ちょっとしたひととき。
それから午後だって、
それから夕暮れの時間だってある。
けれども僕はこういった
夏の宵が大好きだ。
あるいは、考えてみたら、どんな
時間よりも、好きかもしれないな。
一日の仕事は終わった。
もう誰も、僕らに連絡を取ることはできない。
あるいは、これからもずっと。
The Best Time Of The Day/Raymond Carver
『ウルトラマリン』 レイモンド・カーヴァー 訳:村上春樹
中央公論新社
Comments [2]
No.1satoさん
はじめてこちらのブログを拝見しました。(weakly suzieから飛んできました)
特に1Q84の感想、大変面白く読ませていただきました。
人は小説・映画で、比較的簡単に「愛」について話しちゃいますが
村上春樹は慎重に「愛」を真ん中から書くことを避けてきた、と思っています。
排除したり、微妙に避けたり、ねじまげたり・・・
でもだからこそ
あの超ストレートな「愛」という言葉に
相当な覚悟と責任を感じるのかもしれません。
カーヴァーの詩も
まるでそれに呼応するような詩&訳ですね。今度読んでみようと思います。
また、ブログ拝見させていただきます。
No.2KAJKENさん
>sato様
はじめまして。
ブログ、読んでいただいてありがとうございます。
まさか村上春樹が、小説内で「愛」についてああも、
持論を展開するとは思わなかったですよね。
book3がでるのなら、とても楽しみです。
クーリエジャポンのインタビューでは、
「これまでで一番長い小説になる」というようなことを言っていたので、
ねじまき鳥よりも長編となると、book4とか5ぐらいまでいってほしいですね。
また遊びに来て下さい。
コメントする
※ コメントは認証されるまで公開されません。ご了承くださいませ。