ある落語家の半生 *「赤めだか」 立川談春

4月11日にいよいよ、
立川談春氏の自伝的エッセイが発売されます。

en-taxi連載時には『談春のセイシュン』としていたタイトルも、
赤めだか』という趣きのあるものになりました。

このエントリーにも書いてたけど、
en-taxi誌での連載を欠かさず読んでいたので
発売を前にして内容はだいたい掴んでます。


そんでもって断言するけど、
この本は、はっきりいってものすごいよ!


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これは、ある落ちこぼれた青年が、
成り行きに任せて落語家になるという話。

その青年が叩いた門が、
あの「立川一門」だったというところに全てが始まる。

はじめは縁と呼ぶしかないものだが、
いつしかその縁/偶然が、青年の生き方を大きく変えていく。
あまりに偉大な談志(イエモト)の存在。

立川談志って、何であんなに偉そうなの?
なんて素朴な疑問。それはこの本を読めば分かる。


そして、この本の読者は、
たとえ彼の高座を一度も見たことがなくても、
談春が卓越した何かをもっていることを知ることになる。

それは言ってしまえば、感性だ。

生きること、あるいはこれまで生きてきたこと、
--それは「これまでに目にしたこと」と言い換えてもいい--の機微を
ここまでつぶさにコトバにできる人は、落語界を見渡しても、
いや、数多いる文筆家を挙げても、そう見つからないだろう。

リリー・フランキー『東京タワー』の衝撃を超える、、、は
確かに言い過ぎかもしれないけど、文章の毛色も違うし。

だけど、それに勝るとも劣らない、だらしない青春と情けない生き様。
そしてひとりの人間のあまりに純粋な信仰が、はっきりと記録されています。

僕は正直、この本で談春のファンが増えるのが少し怖い。

いや、でも、落語に興味のない人にこそ、ぜひ読んでほしい一冊!

赤めだか 立川談春

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Comments [4]

No.1

ごぶさたです。パドレスの迷彩服ユニフォームが不愉快な球春です。

なるほど。この本は興味深い。買わせていただきました。

で、最近はこのモノマネを毎日聴いています。
http://www.youtube.com/watch?v=Bi6Q8tqwCUE

No.2

拝啓 球春さま

パドレスの件、知りませんでした。
サンディエゴって本当に海軍の街なんです。
僕は生まれて初めて軍隊のいる街に住んで、退役軍人の多さにびびりました。
みんなが分かりやすく誇れるモチーフなんですかね?

「赤めだか」は、かつてスー草を名乗っていた方にもってこいかと。
感想、楽しみにしてます。

それにしても、とんねるずの番組で唯一面白いのが、
ものまねになってしまったというのが、時代の趨勢を感じます。

No.3

ヤバイ。まだ15Pぐらいだけど、めちゃくちゃ面白い。たまらん。

No.4

>スー草さん

そうなんですよ、ヤバいんですよ。
読み終えた時には、猛烈に立川流のファンになっていること請け合いです。

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