2006年10月の記事一覧

ブランドとの絆が崩れる瞬間

  • モノ

いったいなぜ、こんなことを・・・。

信頼していた友に裏切られた気分で一杯。


これなんて使い捨てカメラ??

カメラ

respect / en-taxi

僕はen-taxiを創刊以来欠かさず買っている者として
読者のみんなにはよく知られていると思うが、
実はそのen-taxi、前号で大幅リニューアルをしたのですよ。

その結果、500Yenというワンコインプライスから、
880Yenといういきなりの暴挙、超高額にはね上がり、
おいおいざっけんなよと思ったりもした。

だが、今号(2006 AUTUMN号)はそんな僕の怒りを
雲散霧消するに等しい内容だった。

巻頭の井上陽水×リリーさんの対談に始まり、
大竹伸朗大特集(feat. みうらじゅん)
談志・しりあがり寿他の笑い論
小野瀬族生(CKB)の”懐食”エッセイ
中山康樹のビーチボーイズ・ストーリー
浅田彰の『カポーティ評』
GREAT3片寄のコラム
etc...

特に大竹伸朗を
僕は過去にこの雑誌で初めて知り、
今さら著作を何冊か読んでいたのだが
彼の全景展にかける想い、ひいては芸術に注ぐ情熱はすさまじい。

なんというか、
生活のすべてをアートに捧げている生き方、その想い。

そのぶちまけられたペンキみたいな感情を
感じることができる今回の大特集を読むだけでも、
この1冊を買う価値があると思う。
(オリジナル・ポストカードもついてるし)

特集の組み方といい、登場するゲストといい、
本当にいい雑誌を手を抜かずにつくっているなぁと
いつも感服してしまう。

新しいことや変わったことではけっしてないけど、
「今、ある事象をこう取り上げるぜ、俺たちは」
という切り口やスタンスを忘れない編集同人の姿勢には、
ホントに頭が下がります。

sk8park

  • 季節

鵠沼スケートパークに行った。

スケート(スケボーね)をするのは、
小学校5年のときに友人の別荘ではしゃぎすぎて
別の友人が骨を折って以来である。

はっきり言って
フツーにただ乗ることしかできないのだが、
そんな俺でも、ほら、
やっぱり空き缶とかちょっとした段差とか、跳びたいやん?

ってことで、練習をした。

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『カポーティ』鑑賞

  • 映画

先週末、映画『カポーティ』を見てきた。

本作品は、トルーマン・カポーティの伝記的な内容で、
特に『冷血』の執筆過程をストーリーの中心に据えている。

『冷血』は、1950年代のアメリカで起こった一家殺人事件について書かれた小説で
20世紀を代表するノンフィクションの金字塔だ。

事件が起きてから、刑が施行されるまで、劇中描かれるのはおよそ5年と短い。

だが作家カポーティの最大のチャレンジと興奮と苦悩とが
入り混じって不思議な方向に向かっていく
この時期に焦点を絞った脚本がすばらしい。

この映画の良さは、あえて半生を描くようなことをしなかった潔さにあると言える。

そして、フィリップ・シーモア・ホフマンの演技が僥倖である。

『ブギーナイツ』では油のノッたこってりゲイを演じていたが、
こちらでは完全に洗練されたゲイ(いわゆるNYゲイ)に見事になりきっている。

F.S.ホフマンの相変わらず繊細な演技は、
カポーティの興味の対象が「作品(小説)をつくる」ということから、
次第に「犯人そのもの」に移り変わっていく、
心象の微妙な揺れや、確実な変化をきっちり表現している。


このように"リアルに存在する何か"を題材にして、
作品をつくっていく過程においては、
「作品となる対象」と「作品そのもの」に対しての
距離感がうまくつかめなくなることがある。

だからこの映画は、
天才(カポーティ)の特殊な題材(殺人事件)をテーマにしながら、
その心境変化の感覚は我々(凡人)の日常にも共有できる、というところに
面白みがあるように思った。

その複雑な心境変化のもたらすものは、
衝撃的でありながら、どこか身近であり、
きっと鑑賞後の僕たちの心からすぐに出てはいかないだろう。


ちなみにF.S.ホフマンは本作で2006年のアカデミー主演男優賞を獲得している。


そんなわけで、特に爆発もテロも恋愛も戦争も起こらないのだが、
この秋の夜長の口火を切るべく、恵比寿で静かに鑑賞するのに、
これ以上相応しい映画はない。
オススメ。

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プロフィール

The Great Escape by kajken

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