先週末に実施されたサマソニ参戦記録を、自分の備忘録としての意味もこめて書き記しておきます。
1日目
■ORANGE RANGE
着いた瞬間の一発目には、やはりメインステージでやっている日本最強のポップバンドを見よう、ということでORANGE RANGE。
僕はこういう人たちをバカにしちゃう狭量なタイプの音楽好きだが今回のライブを経てその考えはちょっと改めました。実際にフェスで見てみると、案外かっこいいのである。
なによりもいいなぁと思ったのは、僕よりも若い世代の音楽ファンが偏見をもたず、当たり前のように「ぼくらはいつもいしんでんしん〜♪」で楽しく踊っていること。たとえそれが、Slipknot目当ての、パンク少年みたいな人であっても。そういう巻き込む力をもったアーティストが、やはりフェスでは必要なんだと思う。『なんとかカンフージェネレーション』みたいな、ちょっと小賢い感じでロックをやってるバンドよりも、120%フェス的にはありだなあと思った。
『上海ハニー』のサビはどうしたってボンジョビの「Lay your hands on me〜」に聞こえるけど、それでもいいじゃないか。そんな風に許せた。「小さなことに文句をつけて楽しまないよりも、いろんなことをオッケーしようぜ」って気にさせたという意味で、今回の一発目のアーティストがORANGE RANGE でよかった。
■HALFBY
続いてDANCEテントに移り、HALFBYのDJ。HALFBYこと高橋君はいい笑顔のナイスガイで、ブースでのパフォーマンスが男の俺からみても「やるなぁ」と思うようなさわやか系でした。僕が着いた時にはラスト数曲だったんだけど、まさにアゲアゲ状態で、ラストの『Praise you』でものすごいハッピーな雰囲気を会場に創り出していた。オミゴト。
■I-DEP
I-DEPは日本人の5人編成のブラジル系音楽のバンド。
正直あまり期待してなかった(というかよく知らなかった)が、演奏力の高さと、ボーカルのコのキュートさに魅了されてしまった。今回のフェス一番の掘り出し物だったかも。
■電気グルーヴ×スチャダラパー
昼飯を食べたり、会場内をうろうろしたりした後で、今日の目玉第一弾、電気×スチャのライブ。
DJブースに石野卓球とシンコ、ステージ前方に、左からアニ、ピエール瀧、ボーズ、というフォーメーション。これだけで、ぐっとくるものがある。一曲目から『聖☆おじさん』という反則を持ってきて一気に盛り上げる。そのあと、テレビ慣れしたMCで爆笑を誘いつつ、瀧VSアニのラップバトル。さながら映画『8マイルス』のようにお互いをdisるっていう趣向だ。企画モノっぽさは否めなかったけど、見せ物としてはかなりの出来。ラストにはこのコラボの一発目のシングルだった『Twilight』。
これは感動的だった。
サビの部分を長くとって、永遠に繰り返されるかのような(ちょうど電気グルーブの感動的名曲『虹』を彷彿とさせるような)、切ない感情をスパイラル状に高めていくアレンジで、このまま曲が終わなければいいのにって思った。
終了後、僕があらためて感じたのはボーズのラップの巧さと、卓球の声の良さだった。特に卓球はもっと歌った方がいいよね。
■Slipknot
これはいまいち。
かつてのスリップノットがもっていたヤバさみたいなものが、根こそぎかっさらわれて、一種の伝統芸能みたいな感じになっていた。その予定調和は退屈ですらあった。演奏は良かっただけに、気持ちが入っていかず、残念。
■IAN BROWN
本日の目玉その2。まわりには外人客がとても多い。やっぱり皆どこかで聞きつけて知っていたのだ。今日が特別な曲をやる日だってことを。
『I wanna be adored』のイントロのベースが流れだしたときの会場を包んだ、ため息とも、歓声ともつかない様々な想いの噴出は、かつて誰のライブでも体験したことがないものだった。まさか聴けると思っていなかった伝説のバンドの代表曲。
僕は学生時代のある時期、何かに取り付かれたようにストーンローゼズの1stを繰り返し聞いた。仲のよい友人は自分の葬式には『I wanna be adored』を流す、とすら言っていた。
そんな昔のエピソードを思い出したりしながら、今目の前にいる、どう考えてもピークを過ぎてしまったイギリス人のおっさんが歌う、「青春そのもの」のような名曲をただ黙って聴いていた。
ローゼズの曲で、演奏したのは4曲。『I wanna be adored』『Made of Stone』『Waterfalls』『She bangs the Drums』。
たぶんそこにいた誰もが、昔見た夢の続きを見るような不思議な感情に浸っていたと思う。そんな美しいステージだった。
■Duran Duran
イアンにヤラれてしまったので、流石にこっからメインステージやっているナイン・インチ・ネイルズでとどめをさされる気にはなれず、サブステージのデュランデュランを鑑賞。
『RIO』とかやっぱり良かった。往年の輝きが既にないにも関わらず、ポジティブに盛り上げる様は圧巻だった。
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