ロック暗黒大陸ニッポン特集について

以前、鷲尾さんから教えてもらったこの特集。
参照:これまでの経緯

どうやら巷でも話題になっているらしい(ほんとかな)


僕はどうにかして手に入れようとしたんだけど、
amazon.co.jpで買おうとすると
法外な輸送費をとられるのでどうしたものかと。
悩んでいたのですが、
大学時代からのおしゃっれ友人N脇君が
快く送ってくれました。

な、ん、て、い、い、や、つ、な、ん、だ、


この特集は次のようなリードテキストから始まる。

ここに選ばれた150枚のアルバムの選択基準と順位付けに対する視点をここで事細かに説明するつもりは毛頭ない。これが我々の歴史観だ、言うべきことがあれば、それだけである。そう、これが正史だ。

もはや『風街ろまん』で始まるチャートなど見飽きてしまった。この我々の問題提起を発端にして、さらに議論が巻き起こり、欧米のようにきちんとスタンダードが確立されていけばいい。ここが最初の出発点だ。(田中宗一郎)

相変わらずのぶち上げっぷりは見事。
「正史」って。


そして、問題のランキング。
20位までをブログに載せている方がいたので、
そこから転載させていただきました。


1.RCサクセション / 楽しい夕べに
2.ローザ・ルクセンブルグ / ローザ・ルクセンブルグII
3.フィッシュマンズ / 空中キャンプ
4.村八分 / ライヴ
5.中村一義 / 太陽
6.ボアダムス / SUPER ARE
7.岡村靖之 / 早熟
8.ローザ・ルクセンブルグ / ぷりぷり
9.コーネリアス / ファンタズマ
10.ソウル・フラワー・ユニオン / エレクトロ・アジール・バップ
11.暗黒大陸じゃがたら / 南蛮渡来
12.フリクション / 軋轢
13.スチャダラパー / WILD FANCY ALLIANCE
14.山口冨士夫 / ひまつぶし
15.裸のラリーズ / '77 LIVE
16.佐野元春 / ヴィジターズ
17.P-MODEL / パースペクティヴ
18.RCサクセション / シングル・マン
19.ミッシェル・ガン・エレファン / ギヤ・ブルーズ
20.ザ・ブルーハーツ / ザ・ブルーハーツ


このランキングを見てまず思ったのは、
ここに挙ったバンドは自分の中では、きれいに3つに分かれるなぁということ。

1「ああこれやっぱり入るよね」というリアルタイム・ストライクなロック、と
2「この人たちはやっぱすげえんだな」という後追いで知ったレジェンドロック、と
3「名前は聞いたことあるけど?」という未体験ディープロック。

1は、フィッシュマンズ、中村一義、コーネリアス、スチャダラパー、ミッシェルガン、ブルーハーツ
2は、RCサクセション、ローザ・ルクセンブルグ、岡村靖之、佐野元春、
3は、村八分、じゃがたら、山口富士夫、P-MODELあたり。

日本のロックを真剣に聞き込んでいない人でも、
僕と同世代だったら、1に入るアーティストの曲は少なくとも1度は聞いたことがあるだろうし、
運が良ければCDを持っているかもしれない。

しかし2となると、その数はぐっと減るはずだ。

その差はなにか?

簡単だ。
僕は2の音楽を、ロック好きの年上の人たちから教えてもらったのだ。

僕が日本のロックに関して、過去をさかのぼって聞くようになったのは、
大学の頃に出会った院生の先輩の影響が大きい。

社会人になってからも、2あたりを好きな先輩ってのは、
100メートルぐらい離れたところからでも識別できるもので、
そういう人たちと仲良くなると、いつの間にか教えてくれる。

そんな感じでやんわりと受け継がれてきた日本語ロック伝承の流れが、
今、途絶えようとしているという危機感、
それがこの特集発足の狙いではないか。

ここで、振り返ってみるとタナソーの「正史」って言葉にも
意味がある。

「正史」ってのはつまり主観的な歴史の編纂、だ。

ここで明らかに偏った視点によるランキングを提示したこの雑誌の狙いは、
まさしく僕ら(あるいはもっと下)世代に、
2のアーティストを聞いて欲しいってことなのだろう。
もちろん余裕があれば3も。

だからきっと鷲尾さんがこのランキングに納得感が高いのは、
きっと2のアーティストと同時代でかつ、雑誌編集者と同年代だからであり、
00年代の作品があまり入っていないのは、
このランキングの主旨が若者への啓蒙だから、ということだ。

その上で90年代代表として僕の主観を言うと、
1のアーティストに関してはだいたい同意。

GREAT3が1枚も入っていないのはとても哀しい。
せめて『ロマンス』は入れて欲しい。

あとは一部のアーティストの複数エントリーについて、
世間の評価とランキングが逆転している箇所がいくつかあって。

たとえば、
小沢健二   『犬』28位 『LIFE』53位
スーパーカー 『JUMP UP』30位 『スリーアウトチェンジ』134位
中村一義   『太陽』3位 『金字塔』45位

この辺のニュアンスはすごく自分の感覚と合っている。

でもくるりは『ワルツを踊れ』27位よりも『TEAM ROCK』49位が
上位にくるべきだと思う。

七尾旅人は、もっとちゃんと聞いてみようと思う。
あとゆらゆらの新譜が早く聞きたい。
(ちなみにゆらゆらは新譜と前作『SWEETSPOT』がランクイン。なんとなく納得)

で、2のアーティスト(とくにR.C.サクセション)については、
はやく日本で沢山CDを聞きたい。

そんな感じ。

特集の途中にあった、
俺の溺愛する「日本のロック/ポップソング10曲」もいいですね。
これ、諸先輩のランキングもぜひ聞きたい。
どうです、みなさん。一緒に真剣に考えましょうよ。
鷲尾さんsuzieさんkon-konさんあたりも、、、)


20071128.jpg
|SAN DIEGO ZOOのグラフィティ(左から鷲尾さん、suzieさん、kon-konさん)|

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Comments [6]

No.1

http://homepage2.nifty.com/suzie/gogo.html#20071201

ごぶさたです。私なりに返答しておきました(笑)

No.2

>suzieさん
いきなりの無茶ぶりにさっそく反応してくださって、嬉しいです。

さすがポップ師匠らしい王道セレクト。
僕も考えていたのですが、なにか決定的なものを忘れてそうな気がしますよね。

7位のブルーハーツがちょっと意外でした。

No.3

kajkenさん。
suzie師匠がランキング発表されたようで。
え?と、宿題の件、落ち着いて考えようと思いますので、しばらくお待ち下され。

No.4

>kon-konさん
いきなりすいません。

アルバム単位でも、曲単位でもいいので、
隊長(ジャンル違うけど)の珠玉セレクトを教えてくださいませ。楽しみにしてます。

No.5

遅くなりましたが、宿題を提出します(笑)。

http://d.hatena.ne.jp/kon-kon/20071223

No.6

>kon-konさん

おお!
ありがとうございます。
これ、ほんとは実際ランキングを肴に飲むまでがひとつのイベントですよね。

うーん、楽しいなぁ。

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